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特集:犬アトピー性皮膚炎1 IgEと犬アトピー性皮膚炎1特集:犬アトピー性皮膚炎1IgEと犬アトピー性皮膚炎1増田健一(理研ベンチャー動物アレルギー検査株式会社)IgEの発見とその特徴IgEは、1950年代にはその存在が推測されていたものの、物質特定は長い間されていなかった。当時アレルギー発症患者の血清を原因物質(アレルゲンという)とともに他人の皮膚に注射すると、注射部位に患者と同じような炎症反応を再現できることから、アレルギー反応を起こす作用を持つ物質が血清中に存在することがわかっていた。その物質が特定されていなかったため、レアギンという仮の名前が付けられていた。そして、さらに患者血清タンパクを分離して検討すると、アレルギー反応を起こす作用はIgA分画に存在するため、レアギンはおそらくIgAの亜型であろうと考えられるようになった。しかし、1966年に石坂公成博士がIgAとは全く別の新種の抗体であることを報告し、皮膚でアレルギー反応(紅斑、Erythema)を惹起する性質からErythemaの頭文字を取ってIgEと命名した1-3。これによって、IgEは抗体の中では最も最近発見されたクラスの抗体となった。IgEはIgMやIgGなど、その他のクラスの抗体と同IgMIgGCμCγIgEIgACεCα南江堂、Janeway’s免疫生物学、リンパ球レセプターの形成(143 - 179)より引用・改変図1主な抗体のクラス。重鎖部分(Cμ、Cγ、Cε、Cα)が各クラスで特徴的な部分であり、それぞれ色を変えてある。同じ色の部位は主に抗原(アレルゲン)認識部位を示し、クラス間で同じであることが重要である。緑丸印は糖鎖を示す。IgEは糖鎖を多く持つ。vol.0 7