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マーカー図1 2次元電気泳動法によるアレルゲンスポットの解析海外で使用されている減感作用コナヒョウヒダニ抽出エキスを2次元電気泳動にて評価した結果、非常に多くのタンパク質スポットを検出した(左、黒点すべてがタンパク質である)。これをメンブランに転写し、IgEが反応するタンパク質だけを確認したところ、アレルゲンタンパク質はごく一部であることが解った(右)。さらに我々は、2008年から2010年にかけて、犬アトピー性皮膚炎と診断され、血清中のコナヒョウヒダニに対するIgE陽性であった犬において、Der f 2特異的IgE検査を実施した。この結果、半数以上がDer f 2特異的IgE陽性であった。(未発表データ)これは、山下らの報告と同様であり、Der f 2はHDMのアレルゲンタンパク質の中で重要度が高いものであることを確認するデータとなった。犬アトピー性皮膚炎の治療および再発予防のための減感作療法用抗原液は海外で販売されているが、これらは全てダニの抽出エキスであり、様々なタンパク質が含まれているため、日本においては動物用医薬品として承認されていない。この抽出エキスにはDer f 2をはじめIgEが反応するアレルゲンはごく一部しか入っていないことが知られている。(図1)アレルギーの診療では、検査にて原因となるアレルゲンタンパク質を特定、治療および再発予防を行うことが重要である。とくに、減感作療法の成功率を上げるためには、原因となるアレルゲンタンパク質を同定し、それを減感作療法薬として用いなければならない。これにより、動物のみならず人においても問題となっている抗原エキスのロット間のバラツキをなくし、また、アレルゲン以外の不要なタンパク質を投与しないことで、安全性を向上させることが可能である。参考文献1)高田伸弘,病原ダニ類図譜第一版, 1990,金芳堂2) Masuda Kら, Vet Immunol Immunopathol. 2000.73. 193-2043)永田雅彦,日獣会誌1999. 52. 658-6604) Yamashita Kら, J Vet Med Sci. 2002. 64(8).673-676vol.0 23