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VIP Topics抗ヒスタミン剤の更新情報VIP編集部先ごろまで弊社関連のセミナーでは、抗ヒスタミン剤を推奨する際、犬でエビデンスが複数あることを理由にフマル酸クレマスチンを紹介しておりました。しかしながら、先日来日したDr.Thierry Olivry(ノースキャロライナ州立大学教授)に確認したところ、フマル酸クレマスチンは犬に経口投与した場合、その血中半減期が短いことを教えてくれました。現在は、ヒドロキシジンやその活性代謝物セチリジンがお薦めであるということです。そこでVIP編集部では、早速文献検索を行って次のようにまとめました。Topics●犬においてヒドロキシジンとその活性代謝物セチリジンの抗ヒスタミン剤効果を検討した報告が2本ある1,2●それらの論文によると、ヒドロキシジンは2 mg/kgを1日2回(BID) 1、セチリジンは1 mg/kgを1日1回2で効果があるとしている●ヒドロキシジン(アタラックスR、など)は、人の皮膚科領域では通常成人1日30 ~60 mgを2 ~ 3回に分割経口服用●セチリジン(ジルテックR、など)は、人では1日1回10 mg(最大20 mg)経口(一般的に人の1回用量は体重50 kg換算)一般的に犬は人よりも薬用量が多目ですが、両薬剤とも同様でした。また、薬剤ごとの1日の投薬回数は犬と人とで同様でした。ちなみに1つ目の文献では、健常犬6頭にヒドロキシジン2 mg/kg、BIDを静脈内投与と経口投与して評価しています。代謝産物であるセチリジンの半減期は静注が10時間、経口投与では11時間でした。ヒスタミン抑制効果および抗イヌIgE抗体による皮膚反応(強制的に起こす皮内反応)に対する抑制効果は最大8時間だったそうです。用量を2 mg/kg、BID以上にあげても抗ヒスタミン効果は変化しなかったので、この用量でOKというわけです。文献2は、皮内試験実施の何日前にコルチコステロイドや抗ヒスタミン剤の投与を中止すべきかを調べているものです。健常犬30頭を3群に割り付けて、1週間投薬しています。グループ1は、プレドニゾロン1 mg/kg/dayから漸減。グループ2は、セチリジン1 mg/kg/day。グループ3は、プラセボ。2週目はどの群も完全に無投薬の状態になります。IDT(ヒスタミンおよびコナヒョウヒダニの皮内反応)の1回目は薬剤投与前に行われ、その結果を基線としています。2回目および3回目のIDTはそれぞれ投薬開始1週間目および2週間目に行って基線と比較しています。その結果、グループ1および2では、1週間目(すなわち2回目)のIDTに対する反応は1回目に対して有意(p<0.05)に減少していたというものです。20 vol.0